OJIKAPPANについて

はじめまして。
OJIKAPPANの横山桃子です。
2011年、ふるさとである小値賀島に帰ってきました。大学でデザインを学んだことをきっかけに、家業の活版印刷に興味をもち、約6年間3代目である父・母とともに活版印刷とデザイン業に携わってきました。
わたしは、この小値賀島が大好きです。そして、活版印刷も大好きです。
大好きだからこそ、このふたつがいずれ迎える未来について考えない日はありませんでした。いつか失くなるかもしれない小値賀島と活版印刷を次の世代に繋いでいく、そのような挑戦をしていくために家業の晋弘舎から独立し、OJIKAPPANを立ち上げました。
まだまだ未熟者ですが、小値賀島と活版印刷への想いは嘘偽りなく素直な心で向き合ってきました。このことは自信をもち胸を張ってみなさまに伝えることができます。
OJIKAPPANをきっかけに、世界中のひとが小値賀島と活版印刷とつながりますように。

晋弘舎活版印刷所四代目

活版印刷について

活版印刷は、約5世紀前にドイツのグーテンベルグによって発明された印刷技術です。鉛でできた膨大な量の活字が壁一面に並び、その中から原稿に合わせて一字ずつ拾っていきます。その作業を「文選(ぶんせん)」と言い、文選した活字を、活字より高さの低い「込めもの」で行間や字間を埋めていき、版を組みます。
版が出来上がるとようやく印刷です。活版印刷は凸面にインキをのせて、圧をかけて印刷します。そのため、印刷面には指で触れるとわかるくらいの凸凹が生まれます。
活版印刷の良さをひと言で言い表すことはとても難しいのですが、手間ひまかけてようやく印刷できたものには間違いなく美しい表情が宿っています。
5世紀の間、職人の智恵と技術に支えられ印刷の文化を守り繋いでいったもの、それが活版印刷です。

活版には色気がある(印刷) 活版には色気がある(活字)

晋弘舎について

晋弘舎は、長崎県五島列島の北部に位置する小値賀島(おぢかじま)の唯一の印刷所として100年の歴史があります。もともとは総合商社でしたが、2代目の「活版印刷は文化事業だ」との強い想いが、この印刷業だけを手元に残すことになり、他の事業はのれん分けしました。
その想いが3代目へつながり、今なお、この島の暮らしに寄り添うあらゆるものを活版で印刷しています。

晋弘舎 活版印刷機